往年の名車復活!京王5000系

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富士急行(山梨県)と一畑電車(島根県)では、京王から5000系を譲り受けて運行している。通常は両社とも自社のカラーリングで運行しているが、2013年をもって京王5000系がデビュー50周年となるのを記念して、両社共同で一部車両に京王時代の塗装を復活させている。
京王5000系は1963年に登場、路面電車に端を発した京王が路線の改良を重ね、新宿駅付近も地下化されて高速電車へと転換した年であった。それまでは地味で速度も遅い路線であったが、この年に初めて特急が設定されて本格的にスピードアップが図られることになった。その初代特急用として投入されたのが5000系である。機能的には、片開きの一枚ドアでオールロングシートという昭和30年代の私鉄の典型的な通勤電車ではある。しかし、従来の全面を緑色に塗ったグリーン車の塗装から一転し、アイボリーホワイトの地肌に細い臙脂色の帯を貼付けた新塗装、裾を絞った車体はことに美しく、スピード感を感じさせるもので、今も「名車」として名高い車両である。当時の特急用として十分な性能を持ち、最高速度105kmでの運転も実現して新宿〜京王八王子間を35分で結ぶようになった。1968年には関東の通勤電車としては初めて、またオールロングシートの車両に限定すると日本初となる冷房装置の導入が行われた(一応、特急券が要らず乗車券だけで乗れる電車としては1959年登場の名鉄5500系が日本初の冷房車と言われるが、同車は2ドアクロスシートで主に急行用である)。
しかし車体が当時の私鉄の主流である18m級中型車、ドアも片開き3ドアとあって、激増するラッシュ需要にまでは応えきれなかった。70年代には国電クラスの20m大型車、ドアも両開き4ドアと、ラッシュ輸送に特化した設計の6000系が登場、急速に投入されて5000系は各停用に回されるようになっていった。80年代末期から廃車が始まり、96年にさよなら運転を行い、事業用車に改造される3両のみを残して京王から引退した。だが18m級3ドア車ということで、建築限界が小さく、またラッシュも大都市程過酷ではなく使用条件もあまり過酷でない地方の私鉄には十分適合していた。そんな訳で富士急行、一畑電車、高松琴平電気鉄道、伊予鉄道と、数々の地方私鉄に譲渡されて第二の人生を送っている。
富士急行では1000形と1200形の2種類が、元京王5000系の車両として在籍する。1200形はクロスシートに改造されているが、1000形は京王時代のオールロングシートを保っている。そして1000形の第1編成が2012年に京王5000系の塗装に戻された。運行ダイヤは土休日の分のみ公開されており、富士急のホームページで確認することができる。

 

 

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おおおー、マジで5000系だぁーー!!(当たり前やん)大月駅の側線に留置、12時15分発の河口湖行きに充当されるまで待機中。

 

サイドビュー、ドア間には二段窓が3つ並ぶ構成。いい味出してるなぁ。駅横の歩道から撮影。道には花が添えられていて、意図したのではないが文字通り花電車みたくなっていた。そして車両番号もご丁寧に京王時代の番号である、5863と5113に戻されていた。

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片開きドア。現在主流の両開きドアと比べると、一般に開口幅がやや狭く、ドアも一枚ということで開閉にやや時間がかかると言われる。ラッシュ時に短い停車時間で大量の乗降を捌くのには不向きと考えられ、関東の通勤路線では60〜70年代中に両開きドアに転換した所がほとんど。国鉄も1957年の101系から両開きドアを採用している。京急は珍しく80年代初頭になるまで片開きドアを採用していたが、その分1両当たりのドア数を増やして対処した。

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窓は上下二段の窓になっていて一見すると全て開けられるようにも見えるが、戸袋に当たるところ(写真でいうと一番左の窓)はよく見ると開けることのできない構造である。他の窓と同じく二段窓のようにしてあるのは、見た目の良さを考えてのことだろうか。京急などは二段窓であっても、戸袋窓の部分はお構いなしに大型一枚の窓になっているので、あまり窓の見た目が整っていない。

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1番線から発車の富士登山電車と並ぶ。1205編成でこれも元5000系。

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該当の列車は4両編成。前2両は1200形1201号、後ろ2両が5000系復刻車となっている。1200形はマッターホルン号として赤系の特別塗装がされている。車体構造こそ5000系そのままではあるが、だいぶ印象が異なる。2番線にはニューフェイスの6000系が並び、先輩・後輩同士の共演。6000系はJR山手線で活躍していた205系を譲受、改造したものである。

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12時15分の発車に備えて移動する。一旦上大月側へと引き上げていく。

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青塗装(標準塗装)の車両と並ぶ。

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1番線に入線して営業列車になる。しかしやっぱり名車としての貫禄有るなぁ!カッコいい!!!デザイン的にも、今の車両にはないものを強く感じます!

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京王では1996年に営業から退き、3両が事業用車として残ったもののそちらも2004年をもって完全引退、現在は京王資料館に静態保存された1両を残すのみとなっている(京王資料館は通常非公開のため通常は見られなかったが、今年から一般向けの博物館「京王れーるランド」に移設されたため一般客も見ることができる)。それに5000系が走っていた当時はネットも発達していなかった時代だ。場所は違えども今になって、こうして営業列車で走る姿をリアルタイムに撮ってブログに載せられるというのは非常に幸運なことと思うし、まるでタイムスリップしてしまったかのような、なんだか奇妙な心地もするところである。

※上から7番目の写真について、「富士登山電車 赤富士と並ぶ」と記述していましたが、「富士登山電車と並ぶ」に訂正しました。どうにも筆者が勘違いしていたようで、あの電車のことを「赤富士」と呼ぶものと思っていたのですが、あの電車自体は「富士登山電車」というのであって、車内の内装で「赤富士」、「青富士」とが分かれているということだったんですね(大月寄りの車両が赤富士、河口湖寄りが青富士)。調査不足だったことをお詫びします。短いようですが富士急は頑張っていてなかなか多彩ですね、勉強になりました。

投稿者プロフィール

smith
学生時代に旅行好きから発展(?)して鉄道好きになり、かれこれ10年以上ヒマを見つけては主に乗り鉄を楽しんでいます。
最近は車両面などの関心も強まって少しずつ撮り鉄にもなりつつあります。興味対象についてはあまり限定せずに幅広く、程よくがモットー、のつもりでおりますが本ブログでどれくらい反映出来るか、果たしてどうでしょう?(笑)まあ基本旅中心なので主に行きたいと思う所ベースに選んでます。
あ、ちなみにハンドルネームの「smith」はちょうど自分が受験戦争前後だった頃にテレビでやっていたロボットアニメの影響(?)から、何気なく使ってるものです。。。

どうぞお楽しみに!!!
カテゴリー: ローカル線, 中部, 京王線, 京王電鉄, 大月線, 富士急行, 山梨, 河口湖線   作成者: smith パーマリンク

smith の紹介

学生時代に旅行好きから発展(?)して鉄道好きになり、かれこれ10年以上ヒマを見つけては主に乗り鉄を楽しんでいます。 最近は車両面などの関心も強まって少しずつ撮り鉄にもなりつつあります。興味対象についてはあまり限定せずに幅広く、程よくがモットー、のつもりでおりますが本ブログでどれくらい反映出来るか、果たしてどうでしょう?(笑)まあ基本旅中心なので主に行きたいと思う所ベースに選んでます。 あ、ちなみにハンドルネームの「smith」はちょうど自分が受験戦争前後だった頃にテレビでやっていたロボットアニメの影響(?)から、何気なく使ってるものです。。。 どうぞお楽しみに!!!

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