工業地帯を行く鶴見線(1)

京浜東北線の鶴見駅を起点に、周辺地域へと伸びる鶴見線。東京に近いとあって良く知られているだろうし関連書籍も多いため路線自体のことにあまりスペースを裂くのはよそうと思う。筆者の思ったことを書いておくと、かつて幼少の頃JRの電車に乗って路線図を何気なく眺めた時、鶴見駅から沿岸の方に黄色で書かれた線が伸び、それも途中で分かれて足が生えているような路線があるのに気づいて、ここは一体どういう所なのか、鶴見線とはどういう路線なのか、と子供心に関心を持ったものだった。当時横浜方面にほとんど縁がなかったのだが、後に学校の授業で社会科となれば「京浜工業地帯」の言葉をやたらと耳にするようになったし、自分自身も時々横浜方面へ出向くことが出てきた。首都高速を川崎から鶴見方面へ向けて走ると、左手に広がるのはひたすら工場やら石油関連施設のばかでかいタンクやらで埋め尽くされる。まさに日本の経済を支えているのだということが、ひしひし伝わってくるような地域だ。
そんな地域の、正しく足として活躍しているのが鶴見線である。路線は鶴見〜扇町間の本線と、途中の浅野から分岐して海芝浦、安善から分岐して大川へ向かう二つの支線がある。ほか、営業列車は通らないが、沿線には工業関連施設が数多とあることからそちらへの貨物列車用の線路が、いくつも分岐している。

基本的には、工業地帯へのバリバリ通勤路線なので、ラッシュ時については本数が多く乗客も多い。朝ラッシュ時はおよそ5分おきである。しかし昼間ともなれば平日は20分に1本、土日に至っては30分に1本とたちまちローカル線の運行レベルになってしまう。
先述の通り路線が途中で枝分かれしていて、支線の電車は支線の始発駅ではなく基本的に鶴見駅から全て運行されているので、先の運転本数はその分も加味した本数である。分岐した先は、昼間1時間、2時間と列車が来ないことがある。

始発の鶴見駅、京浜東北線は地上だが鶴見線は高架になっているので、階段を上がってコンコースへ出る。西口の方へ向かうとのりばがあるが、すんなり乗れるのではなく中間改札が設けられている。これは鶴見線が鶴見駅以外、全て無人駅になっているため。
改札を入るとすぐホームで、電車が待っている。3両編成しかない。
ホームは高架なのだが、年季はいりまくりだ。鶴見線はかつて鶴見臨港鉄道という私鉄だったが、戦時中の1943年に国有化された。そんな事情と、あまり大掛かりな手が入れられていないこともあって、かつての名残が今も随所に見られる。

 

鶴見線103系大川行き

かつての103系、大川行き。

 

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外から見るとこんな感じ。京急ストアも入っており現役の駅ビルになっているが、まるで歴史的建造物そのものの外観。

 

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そんな鶴見駅を出て行く電車。かつては上写真の103系だったが、最近205系に置き換えられ、走る電車だけが一気に現代的になっている。その辺は前に訪問した大雄山線にもなんだか似ている。

 

鶴見駅を出るとしばらくの間京浜東北線と並走しつつ走る。下から見るとこんな感じ。高架橋の下にも店舗が並ぶが、やはり少々時代がかった風情。

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余談だが鶴見駅の南方、曹洞宗大本山の総持寺近くに総持寺踏切跡がある。高架である鶴見線以外の、合計11本にもなる線路を跨ぐという超巨大踏切であった。京浜東北線と、鶴見駅に停車しない東海道線、横須賀線なども走っているため、当然ながら超開かずの踏切であった(ああ、ボキャブラリーがなさ過ぎる・・・)。
そういう踏切でありながら長く続いてきたものの、2012年をもってついに廃止された。今も自動車向けの標識やゲートが不自然に残っている。
また、この踏切の上当たりの鶴見線には、かつての鶴見臨港鉄道時代に本山駅があった。総持寺の最寄り駅として営業していたが、1942年に廃止となった。現在もホーム跡が残っている。鶴見駅から500mほどしかなく、歩いてもすぐ行けてしまう距離である。

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総持寺付近を過ぎると立派なトラス橋で他の線路群を跨いで、海へ向かう。まあ当然といえば当然だろうが、鶴見付近はとりあえず鶴見線の中でも割と都会的な景観の場所である。

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鉄橋脇から鶴見駅方面を見る。高架橋は奇麗に保たれてはいるが、構造そのものや線路の架線柱の古さは眼に見えて分かる。今にもチョコレート色の電車が走ってきそうな雰囲気である。残念ながら筆者は見ることができなかったが、実際鶴見線には、平成になってもチョコレート色のクモハ12形電車が残存、当時の武蔵白石〜大川間の支線用として使用されていた。

投稿者プロフィール

smith
学生時代に旅行好きから発展(?)して鉄道好きになり、かれこれ10年以上ヒマを見つけては主に乗り鉄を楽しんでいます。
最近は車両面などの関心も強まって少しずつ撮り鉄にもなりつつあります。興味対象についてはあまり限定せずに幅広く、程よくがモットー、のつもりでおりますが本ブログでどれくらい反映出来るか、果たしてどうでしょう?(笑)まあ基本旅中心なので主に行きたいと思う所ベースに選んでます。
あ、ちなみにハンドルネームの「smith」はちょうど自分が受験戦争前後だった頃にテレビでやっていたロボットアニメの影響(?)から、何気なく使ってるものです。。。

どうぞお楽しみに!!!
カテゴリー: JR東日本, 神奈川, 都市近郊, 関東, 鶴見線   作成者: smith パーマリンク

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学生時代に旅行好きから発展(?)して鉄道好きになり、かれこれ10年以上ヒマを見つけては主に乗り鉄を楽しんでいます。 最近は車両面などの関心も強まって少しずつ撮り鉄にもなりつつあります。興味対象についてはあまり限定せずに幅広く、程よくがモットー、のつもりでおりますが本ブログでどれくらい反映出来るか、果たしてどうでしょう?(笑)まあ基本旅中心なので主に行きたいと思う所ベースに選んでます。 あ、ちなみにハンドルネームの「smith」はちょうど自分が受験戦争前後だった頃にテレビでやっていたロボットアニメの影響(?)から、何気なく使ってるものです。。。 どうぞお楽しみに!!!

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