紀伊半島一周の旅(7)

新宮から特急南紀6号で名古屋に向かう。三連休最終日とあって、新宮から結構乗って混雑する。
駅を出ると短いトンネルをくぐった後、川を渡ってすぐに三重県に入る。新宮までと比べると、この辺りの地形はそこまで険しい感じがしない。山は少し後退しており、トンネルも少ない。家並みの間を行く区間もある。20分ほどで熊野市に到着。

熊野市からは再び山が多くなる。長めのトンネルが続き、合間に海が見えるパターンが多い。トンネル同士の間は短く一瞬であることもある。その分割と直線的でスピードが出る。

山と海に囲まれたわずかなところに工業地帯が広がる。尾鷲。まだ新宮から、2駅しか停まっていないがもう発車から1時間経っている。だがまだ名古屋まで2時間30分ほどある。沿道には熊野古道の案内板が見えることがある。やはり熊野だ。

ところどころで山の向こうに海が覗き、やがてトンネルを抜けて海が拝める区間に出る。島が点在する。
紀伊長島に停車、紀伊半島で海側区間なのはここまでで、この先は紀伊山地を越える山越え区間となり松坂あたりから伊勢湾側に出るルートとなる。紀伊半島の海とも、いよいよここでお別れだ。しかし今回の旅は、本当に海でお腹いっぱいになった気分だ。

山を登って行く。トンネルと山が続くが眼下に紀北町の景色が広がることがある。かなり登っている。ただ、少しすると川沿いに集落を辿りなが進むのでそんなに山深い印象はない。三瀬谷に停車。駅の手前で三瀬谷ダムを通過した。
栃原で行き違い待ちのため停車、下りの南紀を待ち合わせる。ここまで少しまどろんでいた。乗車してからもうすぐ2時間、名古屋まであと約1時間半。

伊勢自動車道の勢和多気のインターを通過。佐名、桜華と通過して広いところにおりてきた。大きくカーブして参宮線に合流、多気に停車。駅周辺は住宅もあるものの田園風景が大半を占める。

このあたりからは過去、伊勢に何度か来ているためおなじみの街が続く。だが毎回近鉄で来ていたので、JRは初めてだ。普通列車に遭遇するが、このあたりでも新宮行きのようで、なかなかロングランだ。
松阪に停車。近鉄線、名松線との接続駅。赤福の看板に出迎えられる!

名松線が少し並行後、離れて行く。名松線は松阪と名張を結ぶはずだった路線だが、途中までで終わっている。近年の台風災害で長らく一部不通になっていた。

次はいよいよ、津。あっという間に乗車時間はあと1時間になった。近鉄線をくぐる。
六軒で反対列車と行き違いのため停車、紀勢本線は単線なのでところどころ行き違い待ちを強いられる。特急同士の行き違いではなく、相手は鳥羽行き普通であった。こういうところだと特急優先で、普通の方が待って特急は停車せずに通過してしまうように思うが、この路線ではそうとも限らないようだ。

津の手前では阿漕(あこぎ)駅を通過する。あこぎだけに、とシャレを言いそうになるが、この「あこぎ」っていう言葉(筆者もそんなにこの言葉使わないし、よくわかっていなかったのだが)いざ調べてみると、この駅周辺にある阿漕ヶ浦から来ているそうだ。阿漕ヶ浦は、伊勢神宮にお供えする魚を取る領域として禁漁とされていたが、それでも密漁を繰り返す者がおり、そこから「度重なる」、「しつこい」とかの例えとして「あこぎ」と言われるようになったらしい。ははぁ・・・地名も色々見てみると興味深いものも多い。

左から近鉄線が合流し並走する。近鉄線は途中、津新町駅があるが、こちらに駅はなく津に到着する。

津を出ると紀勢本線から離れて、途中の河原田までは私鉄の伊勢鉄道を走る。紀勢本線はこの先まだ進んで、関西本線と接続する亀山が終点であるが、名古屋方面へ向かう特急や快速はみな伊勢鉄道に入ってしまうので、津〜亀山間は1時間に1〜2本程度の普通列車しか走らない。筆者はいわゆる「乗りつぶし」をそこまで狙っているわけではないが、今回の旅で「紀勢本線全線制覇」と言いたいところなのだが、特急南紀に乗ったことで惜しくも津〜亀山間だけが、今回残る形となってしまった。まあ別にいいんだが。

伊勢鉄道は、途中の津から分かれて出ている通り、名古屋と津・伊勢方面を短絡するルートとされて、国鉄伊勢線として昭和48年に開業した。それまで名古屋からの列車は、先にも書いた関西本線・亀山経由で紀勢本線を全線走るようなルートで走っていたが、山側で少し遠回りのルートになる上、亀山駅の構造上スイッチバックをしないと紀勢本線に入れず、その点もロスとなっていたのだった。国鉄と並走しライバルであった近鉄名古屋線は、海側を直線的に通るしスイッチバックも必要ないので所要時間で有利であった。そのため、近鉄の路線に比較的近い海側を短絡するように建設された。所要時間短縮の期待をかけられた路線だったが、蓋を開けてみると開業しても一部単線であまり本数もなく、利用者数も伸び悩んで赤字路線となってしまった。昭和62年には第三セクターの伊勢鉄道に転換されて、現在に至っている。現在では特急南紀や、近鉄の伊勢輸送への対抗馬として快速みえがJR関西本線・伊勢鉄道のメインの列車として走り、以前と比べればスピードや利便性は上がっているものの、近鉄の優位性は依然、揺るぎない状況である。なお、三重県内の紀勢本線と同じく全線が非電化である。

ほとんど高架で高架橋梁含め、複線のスペースあるが単線しか使っていない箇所もある。高架になり線路も直線的なので一気にスピードが上がる。早い上に駅が短いのであっという間に各駅通過してしまう。

鈴鹿市に入る。伊勢鉄道は鈴鹿サーキットの近くを通っており、最寄駅として鈴鹿サーキット稲生という駅がある。平常時は特急は通過するが、開催時は臨時停車する。ただ小さな駅だし本数も限られていて、周辺に近鉄の路線もあることから、開催時は他の駅からシャトルバスを使う手もある。地図で見てみると伊勢鉄道は第1コーナーの近くを通過しており、車窓を注意して見ていると観覧車や観客席など、少しサーキットの施設が見える。前はF1とかも好きでよく見ていたが、最近は見なくなってしまったなぁ。。。そういえば元F1ドライバーのリカルド・パトレーゼは鉄道マニアで、大の鉄道模型コレクターとして知られる。さすがに鈴鹿サーキットまで電車で来ていたかどうかは知らないが、近鉄とかは乗ったことあるのでしょうか。(笑)

少し走ると鈴鹿に停車、鈴鹿の市街地にある駅で、発車すると地上を走る近鉄鈴鹿線を越える。近鉄は、近くに鈴鹿市駅がある。遠くに鈴鹿山脈が見えるが雲をかぶっている。雪が降ってるのだろう。名古屋まであと40分だ。

 

左から関西本線が寄ってきて、乗り越したところで合流しここからJRに戻る。工業都市の四日市らしい風景になる。近鉄をくぐり市街地を走り、四日市に停車。
しかし近鉄の方が市の中心にあって圧倒的有利で、駅もデパートが付いていて大きく乗客も多いのに対し、JRの駅は海側の離れたところにあり、規模も小さく乗客も少ない。構内は貨物のヤードが広く多数の貨車が止まっており、むしろ貨物の方が主役な感じがする。先ほど通ってきた伊勢鉄道の普通列車はここが始発だが、JRのホームの端っこに申し訳程度に設けられたところに発着するだけである。

桑名を過ぎて木曽三川を渡り、いよいよ愛知県へ。弥富で行き違い停車する。反対側のホームは名鉄津島線だが、列車はいなかった。関西本線は亀山〜名古屋は電化されているものの、今もほとんどが単線である。

蟹江を通過。名古屋に近づいてマンションや団地が増えてきた。高架になり名古屋の高層ビルが見え始める。このあたりから、近鉄名古屋線が左側を名古屋駅手前まで並走する。ちょうど特急アーバンライナーがぴったりついてきてレースになった。

 

しかし全線複線の近鉄名古屋線に対して、名古屋近郊でも単線ばかりなのが関西本線の泣き所。名古屋を手前にして八田駅で行き違い停車し、アーバンライナーにあっけなく置いていかれてしまった。名古屋近郊なので本数が多く、この列車が少し遅れたこともあり止むを得ないのだろうが・・・。

近鉄の烏森駅を通過して地上に降りると、チャイムがなり名古屋到着放送が入る。高層ビル群が目前に広がり、名古屋に到着する。二泊三日はあっという間の旅だったが、充実感はたっぷりだ。

 

旅の締めくくりに、名古屋の新幹線ホームでおなじみ、住よしのきしめんを食べる。長時間乗車で少し疲れた体にまたしみる味だ。忙しい最中だったが良いリフレッシュになった。明日からまた頑張ろう!(完)

投稿者プロフィール

smith
学生時代に旅行好きから発展(?)して鉄道好きになり、かれこれ10年以上ヒマを見つけては主に乗り鉄を楽しんでいます。
最近は車両面などの関心も強まって少しずつ撮り鉄にもなりつつあります。興味対象についてはあまり限定せずに幅広く、程よくがモットー、のつもりでおりますが本ブログでどれくらい反映出来るか、果たしてどうでしょう?(笑)まあ基本旅中心なので主に行きたいと思う所ベースに選んでます。
あ、ちなみにハンドルネームの「smith」はちょうど自分が受験戦争前後だった頃にテレビでやっていたロボットアニメの影響(?)から、何気なく使ってるものです。。。

どうぞお楽しみに!!!
カテゴリー: 三重, 中部, 伊勢鉄道, 和歌山, 愛知   作成者: smith パーマリンク

smith の紹介

学生時代に旅行好きから発展(?)して鉄道好きになり、かれこれ10年以上ヒマを見つけては主に乗り鉄を楽しんでいます。 最近は車両面などの関心も強まって少しずつ撮り鉄にもなりつつあります。興味対象についてはあまり限定せずに幅広く、程よくがモットー、のつもりでおりますが本ブログでどれくらい反映出来るか、果たしてどうでしょう?(笑)まあ基本旅中心なので主に行きたいと思う所ベースに選んでます。 あ、ちなみにハンドルネームの「smith」はちょうど自分が受験戦争前後だった頃にテレビでやっていたロボットアニメの影響(?)から、何気なく使ってるものです。。。 どうぞお楽しみに!!!

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