ばたでん乗車記(7)

松江イングリッシュガーデン前をでていよいよラストスパートとなる。一畑で最も長いだけあってそれなりにスピードを出す。3000系、結構な走りっぷり!

 

温泉地らしく沿線に旅館やホテルが目立ちはじめ、減速すると終点の松江しんじ湖温泉に滑り込む。一畑の松江側ターミナルで、かつては北松江駅と称していた(その関係で路線名は今も北松江線となっている)。
名前の通り宍道湖畔の温泉地に立地している。松江市役所がすぐ近くにあり、市中心部への利便性は良いが、湖から離れた東寄りにあるJRの松江駅と2km近く離れている。両駅の間はバス連絡となっており鉄道網としては孤立している。

さあ、ついたぞ。

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ここもRailways関連の広告が並ぶ。

駅前、リニューアルされていて綺麗な駅舎。一方で少々味気ない感も。
温泉地らしく足湯がある。

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到着後、せっかくなので誰もいない車内の写真を少しだけ。引退間近の3000系。南海21000系時代からしてももう50年以上になる。

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かつて南海高野線で山登りをしていたこの車両。山岳地帯の急カーブを行くために車体長は17m級と小ぶり、ドアも2ドアとされている。その分ドア間にはロングシートがずらーっと伸びており年代を感じさせる車内の雰囲気と相まって貫禄を感じさせる。
大阪はなんばを起点に、河内長野まで平野部を走り、橋本あたりからは一転して登山電車になる南海高野線。平野部では急行として高速運転し、山岳部では急勾配を低速で力強く登るという両方の性能を併せ持ち『ズームカー』と称された。平野部では大都市大阪の通勤・通学路線であり、混雑対応のため大型の20m4扉車が投入されているが、山岳部では大型車の運転が出来ず今に至るまで専用の車両が投入されている。が、スペースを取らず収容力を増やせるロングシートを主体としている所、やはり通勤路線であることを想起させる。

 

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ドア。いかにも「年代物」といった感じで、モノによっては少々痛々しい所もある。まあ50年以上の運用とあってさすがに途中で更新工事はされているだろうが。でもまあ長年働いてきたことを身をもってあらわしているような気がする。昔の車両と言わんばかりの片開き。定員が決まっており乗降りもそれほど激しくない特急車両はさておき、短い停車時間で大量の乗客を捌かねばならない通勤用車両にとっては、開口幅があまり広く取れずドアの開閉速度に少々時間がかかる片開きドアはどうにも不向きと判断されたようだ。昭和30年代頃から国鉄の101系などを代表に、以降登場する通勤車両はほとんどが両開きドアとなった。片開き扉の車両は昭和の末期から平成の頭にかけて、両開きの新型車両に置き換えられて急速に数を減らしていった。
別にドアの構造の違いだけという話ではあるが、片開き→両開きへの過渡期の時代に子供時代を過ごした筆者にとってはどうにも時代遅れに映った所はあり、今見ればノスタルジックとでも言えるんだろうから妙なもんだ…。まあ子供は新しいものが好きですからネ…。

 

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乗務員室の後部。運賃箱などワンマン運転の設備が搭載され南海時代とは少し変わっているだろうが、シートは健在で座りながら展望を楽しめる。昔の車両はこれがあったから楽しめたものの最近の車両にはなかなかない。

 

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のんのんばあ電車のラッピングがされていた。そういえばこのあたりは水木しげるさんにゆかりのある所ですしね。お隣鳥取県の境線にも鬼太郎列車が走っています。(後々取り上げる予定)

ばたでん乗車記(完)

ばたでん乗車記(6)

一畑口を過ぎ、逆向きに進む。次は伊野灘(いのなだ)。映画『RAILWAYS』では主人公の故郷の家がある駅として登場している。
年代物の3000系。連結部付近に座っているが、カシャカシャ、ギシギシ…。津ノ森で3000系同士の交換。

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湖沿いをのんびり走る。並行する国道に松江12kmとある。確かにこのあたりからは松江市街が湖の向うに望めるようになってくる。でも出雲と松江、近そうに見えて意外とそれなりな距離があるものだ。地図で見るとそうでもなさそうに思えるのはやはり、宍道湖の広さによるものだろう。

松江フォーゲルパーク、洋風な名前だが駅の壁面は日本の城郭の壁を模しており和風な造りで名前とは不釣合いだ。駅名になった松江フォーゲルパークは駅の目の前、鳥類や植物などを展示する全天候型のテーマパークとなっている。

この先も宍道湖沿いを走り景色が良る。特に長江駅のあたりは少し高くなっていてなお眺めが良く感じられる。このあたりから湖を離れて少し山寄りのルートをとる。朝日ヶ丘、松江イングリッシュガーデン前と過ぎる。名前になったイングリッシュガーデンが近隣にあり、平成13年~19年にはそこにルイス・C・ティファニー庭園美術館が構えていたが後に閉館しイングリッシュガーデンだけが残っている。駅名についても元は古江駅と称していたのだが、平成13年の美術館開館に合わせて「ルイス・C・ティファニー庭園美術館前(るいすしーてぃふぁにーていえんびじゅつかんまえ)」と改称され、仮名で書いて23文字となった。平成4年に南阿蘇鉄道に開業した「南阿蘇水の生まれる里白水高原(みなみあそみずのうまれるさとはくすいこうげん、仮名で書いて22文字)」を抜いて堂々日本一位の座を獲得した。しかし平成19年の美術館閉館で現駅名になってからは日本一の座を南阿蘇に再び「返還」している。ちなみに南阿蘇の駅も本ブログで取り上げているので併せてご高覧くださいまし。

最終目的地〜日本一長い駅名の駅〜”

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松江イングリッシュガーデンを過ぎると、次は終点の松江しんじ湖温泉駅。いよいよラストスパート、なのだがここはそれにして一畑電鉄で最も駅間が長く4.3kmもある。所要時間にして5分くらいはかかる。普段はどうってことのない距離なのだが、少々便意を催し始めた身には心理的にちょっとこたえる距離だwww

ばたでん乗車記(5)

雲州平田を出て、松江しんじ湖温泉へと進む。湖遊館新駅、「こゆうかんしんえき」で一つの駅名となっている珍名な駅であり、看板や地図などに書こうとすれば「湖遊館新駅」駅と駅が二つ続く表記になってしまう。実際の所は紛らわしいためか「湖遊館新駅」と省略して表記することが多いようだが。平成7年に開業、近隣にある湖遊館の名前をとって駅名としたもので普通なら「湖遊館前」とすればよさそうなところ、わざわざ「新駅」を付けたのは新しい駅の喜びやアピールなどの意味でも含まれているのだろうか。ちなみに湖遊館とは宍道湖公園にあるスポーツ施設で中でもスケートリンクは山陰地方では珍しいもので目玉となっているようだ。ちなみに筆者、最初はてっきり「水族館」だと思っていた…。でもいまどきスケートリンク、都会ですらなくなってしまったところが多くなかなか滑る機会がない。小さい頃は割とよく楽しんだものですが。
少し走ると園(その)、一文字駅名。このあたりの町名にもなっている。そういえば割と最近やってたAKB関連のアニメでAKB0048ってのがあったが、それの主要キャラの名前が園智恵理だった(声優:渡辺麻友!)。ファンにとっては聖地だったりするのだろうか…。って変に火を付けてはいけませんな。

園を出るとこの鉄道の由来ともなっている一畑口(いちばたぐち)。一畑寺(一畑薬師 目のお薬師様として知られている)の最寄り駅で、一畑電車もそちらへの参拝ルートとして敷設されたものである。一畑寺はここから北へ4kmほど行ったところにあり、もともと鉄道も北へ行ったところに一畑駅があり最寄り駅として機能していたが、太平洋戦争中の昭和19年に不要不急線ということでレール等の資材が供出されて休止、その後昭和35年には廃止されてしまった。そのため現在は一畑口駅からバスで行くことになる。かつて一畑駅へ路線が通じていたことや、松江方面の路線が後から付け足されたことから、現在も途中駅でありながらスイッチバック型の配線になっている。そのためここで必ず列車の進行方向が変わる。ワンマン運転のため、列車が停車すると運転士が反対側の車両に移動する。

園を過ぎたあたりから南側に宍道湖が展開する。特に一畑口を過ぎてからはほとんど宍道湖沿いを走り大変気持ちが良い。

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ばたでん乗車記(4)

出雲大社を参拝、出雲大社前駅から10分ほど。駅前の通りが参道を兼ねたメイン通りになっている。名物の出雲そばを食べる。今日は休日、どこも混んでいる。まあ、今日はもうあとは松江に泊まるだけなので時間がたっぷりある。

駅前の道を進むと出雲大社、鳥居をくぐるなり下り坂を降りて本殿へ向かうのが特徴的。神社、仏閣というと大抵は階段を登った高い所にある。

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傍には島根県立古代出雲歴史博物館がある。存在が伝わるかつての社殿(推定48m?実物を見てみたくなるものだが)の模型や銅鐸、銅剣など出土品が数多く展示されている。実際に銅鐸を鳴らすこともできる。時が時だけに、ではあるが再現されたものはかなり美しい。
出雲観光を終えて出雲大社前から一畑電車で松江へ向かう。ホームには行きに撮影した3000系が止まっていた。松江しんじ湖温泉行きで終点まで乗車する。
川跡まで戻るがそこまではガイドのアナウンスがある。3000系車両のことも案内された。
川跡を過ぎて北松江線に入る。ここからやけに静かになったかと思うとガイドさんの姿がない。ここからは本来のワンマン運転のようだ。

 

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元南海21000系である3000系は昭和33~39年にかけて製造、平成8年に一畑にやってきた。既に登場から50年以上経過している車両である。同じく一畑で活躍する元京王5000系である2000系と比べるともう少し古い。車内、特にドア周りなどかなりくたびれた感があるが、走りは雄々しくがっちりしている。かつて南海時代は『ズームカー』として高野線の山登り選任を担当していたとあってパワーもある。

雲州平田(うんしゅうひらた)、車庫のある駅。途中下車も可と放送が入る。一畑電車ではここ雲州平田駅と一畑口駅で途中下車をすることができる。琴電でもやっているが、地方観光にとって普通乗車券で途中下車ができるサービスはなかなかうれしい所。前にも触れたが車庫ではデハニ50形の体験運転も行われている。

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南海ズームカー時代の塗装になった3000系が車庫で休んでいた。

 

ばたでん乗車記(3)

さて、ばたでんで出雲大社前にやってきた。ここは出雲大社前の玄関口以外にもう一つ目玉がある。昭和3年に登場し映画でも主役級で登場した「デハニ50形」52号車が静態保存されている。

客室、荷物室を併せ持ち営業、近年は畳敷に改造されお座敷電車になっていたが保安上の問題から平成21年をもって現役を引退した。その翌年件の映画撮影が行われ、撮影用にふたたびロングシート座席を備える改造を受けひとたびの返り咲きを果たした。

現在2両保有され、相方の53号車は雲州平田駅構内で体験運転用車両として残されている。ということで毎週金、土、日曜には一般向けに体験運転が開催され、1日のうちに講習を受け、長さ120メートルの体験運転専用線を4回運転できるという、まさに映画さながらの夢のような体験ができる。子供の頃に多くの人が憧れたであろう電車の運転席、足を伸ばした際にはぜひひとつ、「夢」を叶えてみてはいかがだろうか。

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ばたでん乗車記(2)

川跡で出雲大社前行きに乗り換える。一つ隣のホームから発車

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出雲大社前ゆき5000系。京王5000系を特急仕様に改造したもの。3ドアロングシートから2ドアクロスシートに変更されている。右側は元南海21000系ズームカーから改造された3000系。京王5000系より少し古く、老朽化も進んでいる。今年度をもって新車に置き換えられ全車廃車になるようだ。
その代替の新車として決まったのは元東急の1000系、今回写真は撮れなかったものの、後で乗った北松江線で雲州平田駅の車庫に既に収まっているところを見ることができた。先頭は見れずサイドビューだけだったが、サイドの赤帯は東急時代そのままのようだ(中間車からの改造のようだが)。

田んぼの中をいく。高浜
出雲大社方面だけにガイドの放送も勢いづくw
高浜駅付近では沿線の幼稚園にデハ1型が保存されており、その脇を通る。こういうところもしっかりガイドしてくれるので嬉しいww

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高浜を過ぎるともうひとつ見所がある。なんと鳥居が並ぶ中を堂々と電車が横切っている。ここは線路が稲生神社の参道を横切る。ガイドによるともともと神社の方が先に有ったものの、この路線を敷くのにどうにも最適なルートが取れず、やむなく横切ることになってしまったそうだ。
出雲大社と並ぶシンボルの出雲ドームを見ながら進む。出雲健康公園内にある運動施設。

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出雲大社前に到着。

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小規模だがローカル私鉄らしく味があるし大社の玄関らしく駅舎も整っている。

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しかし駅舎が綺麗なのはよいが、デザインは出雲大社らしく神社風、かと思いきやどういうわけかステンドグラスなどが多用された教会風のデザインとなっている。

ばたでん乗車記(1)

ということで出雲市から一畑電車(ばたでん)に乗車、出雲大社へ向かう。島根県内は松江と出雲を結び宍道湖周辺に路線網を持つ。中井貴一主演の映画『RAILWAYS 49歳で運転士になった男の物語』で一躍有名(!)になった私鉄である。休日ということもあってか出雲市や出雲大社周辺は観光客で大賑わい、そして車両を撮る者も、やはり多めだ…。
JRの出雲市駅に隣接する電鉄出雲市駅から松江しんじ湖温泉へ向かう北松江線、途中川跡(かわと)から出雲大社前を結ぶ大社線とがある。電鉄出雲市から出雲大社へ向かう場合は、川跡で乗り換えとなる(特急など一部直通の列車もあり)。川跡もそうだがこの路線の駅が多数出てくるので、一度見ていると地元の路線でもないのに知らず知らず駅名を覚えてしまう。「ああこの駅、聞いたような…」と思うかもしれません。

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JR出雲市駅のすぐ北側にある電鉄出雲市から乗車。JRと並んで高架駅になってしまったため少々味気ない感じもするが、ひとたび乗ればこの路線ならではの風景がしっかり待ってくれている。
駅舎に入ると改札待ちの乗客で待合室は賑わっている。自動券売機で切符を買うが、改札は駅員さんの手による。この手の路線らしく列車の時間が近づくまで改札はしない。

 

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改札を済ませてホームに上がる。早速2100系(元京王5000系)がお出迎え。この2101+2111号車は平成26年から京王の塗装に復元されている。ご丁寧に「ヒゲ」まで。

ローカル線らしくけたたましい発車ベルが鳴って発車。女性のガイド兼車掌さんが乗り込み、沿線の案内や車掌風景、この路線ゆかりのことなども含めて丁寧に説明してくれたり、適宜車内巡回して乗客の対応に当たったりときめ細かい。本来はワンマン運転だが、休日などは観光客も多いからかガイド役も兼ねて車掌さんが乗っているようだ。

 

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京王5000系ほとんどそのままの味わいのある車内。こちらの広告や案内に囲まれているが、何気なく見ていると1台310円で自転車を持ち込める、との案内。うらやましい話!まあ遠方からはるばる自転車を持ってきて、なんて考えることはないだろうが…。最近は自転車ブームか、都会でも山地や遠方などで自転車を楽しむ人も多いようで休日早朝の小田急線などでは「輪行」する乗客もよく見かけるようになった。こういうのを見ると長距離には向かないだろうが、やっぱり折り畳みの自転車が欲しくなってくるwww

かっ飛ばしたJRと比べのんびりとしたペースで進む。出雲科学館パークタウン前を過ぎてJRと分岐、町を離れると田んぼに囲まれる。このロケーションが一畑らしい所で、撮影にもよく使われる。

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8分ほどで川跡に到着、ちょうど川跡止まりだったのでここで出雲大社前行きに乗り換える。ばたでんは全体の本数こそ少ないものの接続の便は良い。

山陰へ

いっつも後でまとめて適当に書いてますが旅先から初めて更新してみるw
というわけで休みを使って山陰地方に旅行中です。今日は島根へ行きまずは出雲大社へ、そして映画でもすっかりおなじみの一畑電車も乗車、松江へ移動して一泊という行程であります。京王や南海などの懐かしい車両はもとより宍道湖の眺めの良さもまた素晴らしいですね。
なんか凄い偶然なんですが前日に松江出身のテニスの全米オープンで錦織選手が決勝進出!松江行ったら号外もらい、食事処ではやっぱり話題になってました!いやあ〜凄いなぁ。頑張ってほしいです。

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宍道湖に落ちる夕日も綺麗です。

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