南武線の話題

埼京線でE233系が営業運転を開始した矢先ですが、またも驚きのニュースがありましたね。今度は2014年度から南武線にE233系を投入するそうです。ほか115系が未だに主力となっている新潟地区に新開発のE129系を、仙台では東北本線と仙石線の連絡向けにハイブリッド車のHB-E210系を新造するということです。既に発表されている横浜線用のE233系投入がまだ始まっていないですが、話題がつきませんねー!

南武線は川崎〜登戸間を結ぶ通勤路線。都心にこそ乗り入れてはいませんが東京のすぐ周縁部を走るとあって本数は多く混雑路線ですね。筆者にとってはいつ乗っても混んでいる路線という印象ですが・・・。JRになって以降イメージアップの狙いもあってか一定数の新車配備はあったものの、基本的には国鉄時代から主要路線のお古の受け皿というような感が否めません。新型E233系は35本投入、恐らく全車両が取り替えられるんでしょうね。
ということで少し前の写真になりますが矢向駅で撮った南武線の様子から。時期的には快速運転を開始(昭和時代にも一時期あったので、厳密には復活ですね)して間もない頃になります。

 

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205系の上り快速川崎行き。快速幕が新鮮でしたね。

 

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205系の下り登戸行き。

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南武線用の方向幕はラインカラーが入ったオリジナルのものでした。昔は普通だったと思いますがどこで変わったんでしょうか。

 

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205系の下り快速立川行き。こちらは転属してきた車両ですが、先頭車は中間車から改造されています。

 

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209系下り立川行き。南武線は205系が主力で、209系は少なくそんなに来ません。

 

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209系上り快速川崎行き。

 

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205系下り快速立川行き。

 

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209系上り川崎行き。この日は意外と209系が来たなぁ。

 

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快速運転開始記念のラッピングがされていました。

南武支線〜都会の中のローカル線を訪ねて〜

川崎を起点に立川へ向かう南武線。23区内に入っておらずどちらかというと周縁部を走るということからかちょっと小振りな印象も受けるが、首都圏の通勤路線の一つであり時間を問わず乗客の多い路線である。
そんな南武線の片隅、川崎の隣の尻手駅から南にちょろっと出っ張っているのが南武支線である。駅数は全部でわずか4駅、2両編成の電車がピストン輸送する小さな路線であり、川崎からの本線に乗り入れといったこともなくマイペースに運行されている。川崎という神奈川でも随一の大都市、また日本を代表する京浜工業地帯を擁する都市を走る路線で、終点の浜川崎駅は完全に京浜工業地帯の工業地に入っておりひたすら工場に囲まれている。しかしそんな路線でありながら、全線単線、運行も昼間はわずか40分に1本、ラッシュでも1時間あたり4本くらいという有様である。全線が都会を走っているというのに、運行形態はそれとは全くかけ離れたローカル色濃厚な路線となっている。そんなローカル色の強さや、そういう路線形態もあってか回される車両も車両ということで、訪れるファンも多いことだろう。一昔前は新性能国電の始祖とでもいうべき101系が国内で最後まで残った路線として注目されていたが、現在は引退している。

まずは京急線で八丁畷までやってきた。尻手の隣の駅である。乗換駅ということになるのだが、京急は普通列車しか止まらないものの昼間10分に1本くらい電車があるのに、南武支線は先にも書いた通り40分に1本である。しかも駅の入口にはJRの看板はない。地上の駅舎から駅に入ると、まずは京急線のホームに出ることになる。はてJRの乗り場はどこやらと思うと、京急の上下線を連絡するための連絡通路(跨線橋)が2階にあるのだが、そこがそのままJRの駅ホームを兼ねているという状態である。JRのホームは一面一線のみ(行き違い不可)、駅業務は京急に委託されておりJR側は無人、改札も京急の駅入口にあるだけで、JR側には乗り換え客のためのSuica読み取り機などがあるのみ。一応連絡通路を兼ねているので屋根があり、列車待ちのためのベンチも置かれてはいるが、設備らしいものと言ったらそれくらいで本当に最小限のような印象、まるで存在すら気づきにくいような構造である。

列車が発着する頃になればある程度の乗り降りがあり人が集まってくるが、一度行ってしまえば一気に人気がなくなり空しさ漂うかのようである。しかし、大変失礼ながらこんな大都市川崎にあって、そんな運転本数で良くやって行けるよなぁと思う。鉄道だけに限ってみれば、川崎辺りは京浜東北線、京急線が横のラインを果たし充実しているが、縦のラインと言えば南武線とそこから枝分かれする南武支線くらいしかなく、その点でいえば南武支線の存在意義というのは確かに一定のものがあるかもしれない。しかし鉄道以外も含めればバスという、実質もうどこでも行けるしリソース有る限りなんぼでも本数が増やせそうな、強力なライバルがいるはずなのだ。だがそんな状況下にあっても、この路線は続いている。もっとも、バスは交通事情に左右されやすいという欠点がある。川崎辺りではある程度の交通渋滞が避けられないのは想像でき、そうなると定時性の保証は難しくなる。となればそういったことに左右されない鉄道の方が強く、支持されやすいということになるのだろうか。見れば確かに、列車が来ればそこそこの人が乗っている。

ともあれホームのベンチに座り浜川崎行きの列車を待つ。行き違いできるのが途中川崎新町の一駅のみであり、自分の出向いた時はタイミング的に尻手行きを一旦見送って、そいつの折り返し便で浜川崎へ向かうことになる。本数少なく距離も短いので、ラッシュ時は2本の電車が使われるが、それ以外の時間は1本の電車が往復するだけである。
ホームは一面一線のみなので、反対側にホームはなく周辺の景色を見渡すことができるので、気持ちの良いところではある。しかしそれよりほとんど誰もいないという空虚感の方が、まあ勝ってしまうだろうか。それにしても駅周辺を見る限りはマンションの目立つ住宅街というごく普通の都市の景観で、本当に南武支線だけが周辺の世界と隔離されているかのような印象である。
ちなみに線路は3本あるが、南武支線の営業列車が使うのはホーム側の1本のみ、ホームに面していない残りの線路は貨物線で、八丁畷の北側で左カーブして東海道線に合流する。京浜工業地帯からの貨物列車向けの線路である。列車を待つ間にも機関車が通る。むしろそっちの方が、本数が多いかもしれない。

 

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階段を上がってJRのホームに出た所。あるのは本当にこれだけ。

 

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ホームからの眺望。見る限りはありふれた市街地の風景だが。

 

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ホームに接する線路のみが南武支線、他は貨物線。

 

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貨物線を通り過ぎる機関車。こっちの方が、本数多いかも?

 

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駅名看板の錆び具合もまたローカルさを醸し出しているかのようだ。

 

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尻手行きがやってきたが逆方向なので見送る。

 

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折り返しの浜川崎行きがやってきた。ようやく乗車。ご覧の通りの駅なので、そんなに見る所も多くない。あ〜、ヒマだった・・・。(笑)

浜川崎行きに乗車。座席こそ埋まらないものの、やはり一定の乗客の姿がある。京急などをまたぐため高架になっていたが、ほどなくして地上に降りる。行き違い駅の川崎新町。先にも書いたが昼間は1本の電車しか走らないので、行き違いはない。
住宅街の中を進んで行き、前方に首都高速が見えてくる。ちょうどそれがまるで堰のようになっていてその先は別世界で、いよいよ工場街となる。徐行して高速をくぐってすぐの所で終点浜川崎、わずか4分程の乗車は終る。
終点の駅だがここも1面1線、行き違いはできない構造。終点の駅とあってそれなりな構造ではあるものの、やはり無人駅だし、こぢんまりしている。ホームにツツジの花が咲いているのが、本当にせめてもの彩りにすら見える。
そしてここは京浜工業地帯の中核路線である鶴見線の乗換駅。ホームには乗り換え案内の看板がある。同じJRの駅だが、通路で繋がっておらず一旦外に出て道路を歩いて、向かい側の入口に行かなければならないのが妙なところである。雨が降っている時は乗り換えるにも、傘をささなくてはならない。もっとも、工場出勤者の多いであろうラッシュ時を除いて、乗り換える人はほぼ皆無に近かろうが。ちなみにこれは元々両線が、別の私鉄路線だったことに起因するようである。

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浜川崎駅。ツツジが咲き誇る、というか囲まれ過ぎ。肝心な駅名看板が見えていない。
まあほとんど野放し状態なのだろうが。

 

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ホームは1面1線のみだが、外側には貨物の線路群が広がっている。もう明らかにこっちがメインだと言わんばかりに。

 

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駅は木造、きっとこの先も変わることはないだろう。駅舎というものも、長い年月が経過すれば大概は取り壊しやらリニューアルなんかで議論になるものだが、この駅ではそんな議論が巻き起こるような状況が来ることも、きっとないだろう。昔ながらの駅が残るというのはそれはそれで嬉しいと思えるかもしれないが、一方で見れば取り残された、忘れられた、というような感覚もある訳で、空しさも覚える。
駅舎のデザイン云々は別として老朽化対策の優先度はむろん、主要駅が先になるだろうからそれはそれでいいんだろうが、駅の置かれた立場によってその後の処遇というものはまあずいぶんと違うものである。

 

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駅出入口付近。駅舎はあるが無人。切符の回収箱と、Suicaの読み取り機がついている。Suicaが無人駅で使えるようになった今、それの機械だけがせめて、最低限時代の要請に応えたといわんばかりに置かれている。

 

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駅を出る。鶴見線に乗り換えるにも、一旦出なくてはならない。すぐ上を貨物線が通過している。この辺りは工場街に呼応したように、線路も縦横無尽である。その手のマニアにとっては飽きがこないだろうか。

さて次はそんな鶴見線に引き続き乗ってみるとしよう。
ちなみにお察しのこととは思うが、この辺りの空気は決して良好とはいえないので、工場街の空気にあまり慣れない方は、無理をしないように。しかしこの地が日本の成長を支えているということが実感出来るであろうことも、また付記しておく。