日本三大車窓からの夜景

長野県はJR篠ノ井線の姨捨駅。松本からひと山越えて善光寺平へと降りていく途中にある駅で周囲より標高が高く、駅ホームから善光寺平に広がる長野市街を一望ことができる展望スポットとなっており、日本三大車窓の一つに数えられている。

昼の景色も素晴らしいが、夜は夜で長野市内の夜景が広がるとあってこれもさぞ魅力的なことだろう。昼は以前眺めたことがあるので、今回長野旅行にきた際に夜景を見るべく夜に訪れてみた。しかしここで夜景を取り上げるのも初めてだなぁ。

長野駅19時6分発の普通茅野行きで姨捨駅へ向かう。以前は115系の天下だった長野も今やすっかり211系が主力となっている。東北・高崎・東海道線などから転属したもので中央本線を中心に山梨・長野県内の普通列車で活躍している。中央本線の普通列車用とあって都内も高尾まで入線し、立川や八王子にも一部顔を出している。しかしどうにも未だに115系のイメージが根強く、なんだかまだ見慣れない。

途中篠ノ井から篠ノ井線に入る。最初の駅稲荷山まではまだ普通の路線といった感じだが、稲荷山を過ぎると山に入り標高を上げていく。線路と同じ高さだった市街地をだんだん眼下に見下ろすようになり、長野の中心部からも離れていく。途中列車はスイッチバックし信号場で停車したが行き違いもなく発車。篠ノ井線はこのあたり急な上り坂が続くので信号場や駅をそのまま設置できず、姨捨駅や信号場はスイッチバック型の配線を取り、通過する列車のみ本線を直進させている。

信号場を過ぎるとだいぶ標高も高くなり、長野市街地からの距離も離れて街明かりも遠くに集まる感じになり、夜景らしくなってくる。

再びスイッチバックして姨捨駅に停車。列車を降りる。周囲は山だし乗降は少なく、普通ならこんな夜にここで列車を降りる人もそういないだろうと思うところだが、やはりここは夜景スポット!観光客やカップルが何組か見受けられた。


姨捨駅構内。急勾配の途中にあるため本線上にホームはなく、枝分かれした線路に位置するスイッチバック型の駅。駅名標もスイッチバックを強調するような図で描かれていた。写真上は駅構内の様子だがスイッチバックのため、写真奥の方向に進むと行き止まりで手前側だけが本線に通じている。以前は特急しなので本線を通過しただけだったので降りるのも初めてだ。


ホームには展望案内図が設置されている。日本三大車窓の文字も忘れずに。

さて、夜景を堪能してみようか。

おお〜❗️(笑)

山に囲まれた善光寺平に煌々と夜景が展開する。大都市の夜景と比べると、という部分はあるかもしれないが、旅先の鉄道駅からこんな夜景が見えるとなると感動モノだろう。

ちなみに上写真右の方に小さく花火が写っているが、この日何も知らずにきたら川中島古戦場まつりが開催されており、夜は花火が打ち上げられていた。旅に出れば思わぬ収穫やらトラブルやら色々あるが今回もまた思わぬ展開になったな。ちょっと遠くて小さくなってしまったが夜景との偶然のコラボは最高だ。


さて、当たり前だが乗ってきたからにはちゃんと駅を出てから戻りましょう。

洋風の洒落た駅舎を持っているが無人駅で窓口らしいものもあるが閉まっているのがちょっと寂しいところ。眺めもいいんだし駅舎を活用してちょっとした喫茶店にでもしたらどうかと思う雰囲気だが、まあ厳しいだろうか。無人なので切符はホームの回収箱に入れて下車。乗るときも券売機がないため、乗車証明書発行機で乗車証明書を発行し車内か下車駅で精算する。

次の長野行き列車で駅を後にする。秋に入り夜の長野はちょっと肌寒かったが、なかなかお目にできない非日常の光景であった。

特急『しなの』で善光寺平を行く

関東に住む者にとって中央線(中央東線)の特急というと『あずさ』が連想されるが、対を成す存在である中央西線には名古屋、大阪から『しなの』が運行されている。また、『あずさ』は基本的に篠ノ井線でも松本までしか来ないが、『しなの』はほとんどがその先長野まで運転されており、松本と長野を連絡する特急ともなっている。
車両はJR東海の383系が使用される。銀色のステンレス車体にオレンジ色のラインを締めるデザイン。JR東日本の特急車は塗装されていてどちらかというと色彩が意識されているのだろうが、JR東海では他の車両も含めて車両のデザインが統一されているような感がある。それでも、ややとんがった先頭車と、細いオレンジ色のラインはどこかスピード感を感じさせると思う。

松本駅を発車、ここまで複線で、線路も松本平を走ってきたが、この先は単線で、山越えルートとなる。相当厳しい地形をアップダウンして、松本平と、長野市側の善光寺平とを結んでいる。
「日本三大車窓」の一つである善光寺平の眺めがこの先に待っている。
しばらくは松本の市街地を大糸線と並行して走る。大糸線は松本駅を出てすぐに北松本駅があるが、篠ノ井線は次の田沢まで8キロほど駅はない。大糸線と分かれ、国道19号沿いに走る。大糸線は奈良井川、梓川を渡って豊科の方へ行くが、こちらは川の手前側を走る。右手は山、左手は川ということで地形条件も違う。沿線の都市を走る大糸線に対して、こちらはどちらかというと自然に近く、長閑なイメージだろうか。景色は良好、北アルプスにもかなり近づく。この先は山越えが控えているため、この辺りが最も接近する所だろう。
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さて、もうお昼の時間だ。姨捨駅に近づく前に、松本駅で調達した牛肉弁当でも食べよう

明科を過ぎると北東方向に向いて、長大なトンネルで山を貫くようになる。西条、坂北、聖高原と過ぎて行く。いずれも山間の筑北村、麻績(おみ)村にある駅。山越えルートではあるが、トンネルが長いこと以外はそれほど険しい感じはしない。穏やかな風景が続く。

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松本平、善光寺平と、どちらも盆地であるが、標高は松本平の方が高く600〜700mほど、善光寺平は350m前後となるため、善光寺平へ向かって下る線形になる。
そして冠着(かむりき)を過ぎてトンネルを抜け、姨捨(おばすて)に向けて下って行くと、「日本三大車窓」に数えられる善光寺平の車窓が展開する。姨捨駅は長野へ向けての急な下りの途中に設けられたもので標高約550m、善光寺平へと入るあたりに位置する。高層ビルから眺めるように善光寺平のパノラマが広がる。これは絶景だ!今回は特急列車だったので停車しないし窓ガラス越しではあるが、初めて見ることができた。いや〜、素晴らしい!

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ちなみに昼の眺めも素晴らしいだけに夜も楽しめるポイントだ。ということで姨捨付近の夜景はコチラをどうぞ!

日本三大車窓からの夜景

姨捨駅は急坂の途中にある為、通常通りにはホームを設けられず、本線から線路を分岐させて平たい所に駅を設置してある、ユニークな駅である。そのため停車する列車はスイッチバックを行う。この路線の厳しさを物語っている。

眺望を見ながらなおも下って地平に降りてくるとラストスパートである。稲荷山を通過。

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地平に降りるとこんな感じ。家並みと畑が広がる。長野県はりんごの産地としても名高い。

 

最後に篠ノ井に停車。しなの鉄道線との合流点、同線はかつての信越本線である。元々、信越本線は高崎〜篠ノ井〜長野〜直江津〜新潟と回る路線だったため、篠ノ井線は今もここが終点であり、この先は今も信越本線である。北陸新幹線が開業すると、長野から先の信越本線も経営分離され、長野県内はしなの鉄道に移管されるという。そうなると、長野県内の信越本線は篠ノ井〜長野間のみ、ほんの少し残されるだけとなってしまうことになる。
篠ノ井線では貨物輸送も行われているため、ここも貨物ヤードが広がっていて構内は広い。

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篠ノ井を出ると長野新幹線と並行して走り、途中3駅通過して長野に到着。松本から1時間弱ではあったが初めての『しなの』と善光寺平だった。

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乗って来た383系『しなの』

 

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一部の先頭車はグリーン車で、展望席を備える。クロ383-1、偶然にもトップナンバーだった。
 

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一般車の先頭車。6両編成〜10両編成と柔軟な運用に対応するため複数編成の連結に対応し、連結した際の通り抜けを可能にするため貫通扉と幌が付いている。今回乗ってきた列車は10両編成だった。

信州和風牛肉弁当

松本、塩尻など長野県の主要駅にて販売。信州牛を使った弁当。梅干しご飯にメインの牛焼肉、野菜サラダ、漬け物、フライドポテト、フルーツとデザートが入っている。メイン肉が結構入っていて食べがいがある。デザートはワインゼリーか、結構ワインが利いていて口に入れると独特の甘さの混じった苦みが広がる。ちょっと酔い気分になれるかも。

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この記事に関する紀行はコチラ!

特急あずさで行く中央線の旅(2)

甲府を過ぎるときつい上りが続き、標高を上げて行く。右には八ヶ岳、左には南アルプスの山々が見えてくる。韮崎は上り勾配の途中にホームが有り、傾き具合が見て取れる。

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余談ながら甲府駅の先の留置線には183系のあさま色と思しき車両がいた。
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小海線と接続する小淵沢を過ぎ、標高も1000m近くまで上がってくる。長野県に入って諏訪湖畔を通って行く。途中茅野の先から岡谷までは数少ない単線区間となっている。首都圏では超満員、大混雑路線で知られる中央線も多様な顔を持っている。

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諏訪湖を行く。

 

岡谷では旧線が分岐、辰野で接続する飯田線の列車も主にここまで乗り入れる。

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岡谷からは辰野を回る旧線と分かれてショートカットの新線に入る。再び複線になり長大な塩嶺トンネルを通過する。ここまでは割と山に囲まれていたが、みどり湖を通過すると突然視界が開けてきて山が遠ざかっていく。ここからは松本平(松本盆地)へと入って行くことになる。
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辰野を回ってきた旧線が合流、貨物列車用か、広い留置線群。元々塩尻駅が有った場所でもあるらしい。
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名古屋から来た中央西線と合流すると塩尻に到着、東京から続いてきた、いわゆる中央東線もここまで。塩尻をまたいで東西を直通する列車は運行されていない。代わりにここから始まる篠ノ井線に入って、松本か長野まで行く列車が多い。
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松本行きが多いためここの始発・終着は少ないが、各方向から線路が入ってくるため構内は広めである。3・4番線ホームの松本寄りは屋根がないが、そこを利用してブドウの木柵が設置されている。ちょっと珍しい光景であり、ご当地ならではの光景とも言える。

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木柵に囲まれた115系長野色。長野地区の普通列車の主力だが首都圏から211系が転入を開始した。活躍ももうそろそろといったところであろう。運用範囲はかなり広く、JR東日本路線網の中央東線、篠ノ井線、大糸線、信越本線(篠ノ井以北)、JR東海の飯田線、中央西線や、しなの鉄道への乗り入れまでもこなしている。今後乗り入れも含めて211系にバトンタッチするのだろうか。

 

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塩尻駅3番線に停車中のE127系100番台。1998年登場の、長野地区のニューフェイス。ATSの都合からか長らく大糸線専用車両的な位置づけだったが、最近篠ノ井線や中央線の旧線にも顔を出すようになった。

 

篠ノ井線に入る。松本までは東西の中央線が合流して走るため本数が比較的多い。中央東線は関東から、中央西線は中京・関西から列車が入ってくる。それぞれ運行される車両も違うし、乗客の文化圏も違うだろう。やや地味では有るが、東西の結節点的な路線と思う。

左手には北アルプスの雪をかぶった山々が徐々に姿を見せ始める。これを見るとなんだか長野にきたなという実感がしてくる。景色を飾るものではあるが、自然の厳しさを見せつける山岳地帯でもある。

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そんな景色をバックに松本平を行く。塩尻や松本と都市が続くということもあってか、沿線は家並みや工場など立ち並んでおり賑やかである。途中の村井には貨物駅が併設されていて機関車群、コンテナ群を見ることができる。東西の中央線を通して長野と関東、中京を結ぶ篠ノ井線は貨物輸送も盛んで、関東、中京共に製油所があることから石油関連輸送の列車も盛んに往来している。

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そうこうするうちに終着のアナウンスが流れて、松本に到着する。新宿から200km余、3時間近くかけて走破した。
折り返し列車が多いのと、大糸線、私鉄のアルピコ交通上高地線の始発駅であるためホームは多く、構内は広い。中央東線の特急『あずさ』、『スーパーあずさ』は、ごく一部が大糸線に乗り入れるほかはここで折り返しとなる。松本市の中心駅とあって乗客も多い。駅の北東側には松本城がある。

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大糸線のりば(6番線)に停車中のE127系100番台。そういえばあまり長野に足を運ぶことがないので、E127系100番台をまともに見るのもこれが初めてだったりする。

 

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アルピコ交通上高地線(7番線)上高地方面のバスターミナルである新島々まで行く。

 

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駅南側には隣接して松本車両センターがある。あずさ関連の車両のねぐらでもある。

ここから先は『しなの』に乗ります!