特急『やくも』で出雲へ

岡山と山陽本線の伯耆大山を結び、米子・出雲方面へ連絡する伯備線。特急『やくも』がこの間を3時間程度で結んでいる。国鉄時代から活躍する振り子機能付特急車381系6両編成、基本的に出雲市寄り先頭車はグリーン車となっているが、一部の車両は前面展望を楽しめるパノラマタイプとなっており岡山9時5分発の5号などが該当する(パノラマ車は数が限られているため日によってパノラマでないこともある)。せっかくの機会だし、国鉄型のパノラマ車となれば今後滅多に乗れることもないだろうということで頑張ってチケットを取り乗車した。グリーン車ということでちょいと高くついたがまあ乗った甲斐は十分!乗り込んで座席に座るなり一人興奮気味…www 1号車はほかに乗客はほとんどおらず最前列は独り占め状態であった。
小田急ロマンスカーなどとは違って運転席と客席が分かれている(運転席が2階にある)タイプではなく、平屋建ての構造で運転席も1階にあるので展望も運転席越しにはなってしまうが、運転士気分も味わえるしこれはこれで面白い。

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岡山を出てしばらく山陽本線を走行、早速特急らしくぶっ飛ばす。倉敷から分かれて伯備線へと入る。いわゆる陰陽連絡路線は西から東までいくつか存在し、東海道・山陽新幹線連絡の意味も込めて特急列車も多数運転されている。が、経由地の大半が中国地方の山間部という事情もあってか電化され本数の多い路線は少ない。岡山と山陰本線の伯耆大山を結ぶ伯備線が唯一全線電化されて電車の特急が走り、他は非電化路線で気動車での運転である。気動車ファンにとってはたまらんことだろうが。

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岡山を出て瀬戸大橋線の『マリンライナー』と並走。

 

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倉敷から伯備線に入る。

山の比率が圧倒的に高い中国地方、伯備線に入って程なくして早くも登山モードになり、左右にカーブしたり時にトンネルをくぐりながら山間を進むようになる。もっともこのあたりはまだ岡山に近く、総社、備中高梁といったある程度の規模の駅が続き周辺も結構な町になっている。備中高梁までは複線化され本数も割と多い。

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伯備線に入って最初の停車駅、総社に停車。吉備線が接続する。NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』のラッピングがここでもされていた。

右から太陽が照り付け、まぶしい。備中高梁を過ぎると一部複線化された所を除き単線になる。特急『やくも』は本数が多いので、特急停車駅でなくても途中行き違いのために運転停車する。それも上下どちらかで遅延が起きると結構長い信号待ちになる。筆者が乗った際も岡山行き列車が遅延して途中信号待ちの駅で5分程待たされた。

新見に停車、姫新線、芸備線と接続しておりこのあたりの中心駅。接続する両線とも本数が非常に少ないしこの駅の乗客自体も減少傾向にあり、広い構内はあまり人がおらず寂しい。

ここから二つ先の備中神代まで芸備線が乗り入れる。布原、備中神代と通過していくが、ちょっとおかしなことに備中神代駅の看板には次の駅は「にいみ」と書かれ、「ぬのはら」とはなっていない。布原駅には芸備線の列車しか停車せず、伯備線は普通列車も含めてすべて通過するためである。

緑の中を行く。シートが良すぎて思わず眠くなる。新郷を通過していくと車掌によるガイドの放送が入る。この先トンネルで谷田峠を越えるが、そこが岡山県と鳥取県との県境であり、分水嶺であるということだった。
トンネルをくぐってしばらく行くと上石見を通過するが、標高が最も高い駅とのこと。とはいえ周囲は割と穏やかであまり変わった所はないが。

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生山(しょうやま)に停車、根雨(ねう)で行き違い停車、このあたりでは主流の「黄色い」普通列車が停車していた。本当にこればかりだな。
勾配を下ってだんだんおりてきて、周囲も山々から平野へと開けていく。米子市が近づき車掌による米子市についての放送が入る。ゲゲゲの鬼太郎関連のガイドもしっかりついている。
右から山陰本線が合流、伯耆大山を通過。伯備線が終わりここから山陰本線に入る。大部分非電化の同線だが岡山との連絡強化でここから西出雲までは昭和57年に電化され、山陰本線で最初の電化区間ともなっている。普通列車は気動車が多いが、電化されている京都近郊やこの区間については電車による普通列車が見られる。
米子を過ぎ、島根県に入り安来、境港から流れ込む中海を右に見ながら進む。

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高架で県庁所在地の松江を望み、この先右側は変わって宍道湖が占めるようになる。実際の所、中海は国内で5番目、宍道湖は7番目の湖であるが、宍道湖の方が東西に細長い形をしており、鉄道線路もその沿岸に沿うように敷かれているため、車窓を見ているとどこまでも続く広大な印象が感じられる。松江から出雲方面にかけて宍道湖を挟むように、南側を山陰本線、北側を一畑電車が走っている。

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出雲空港にほど近い宍道に停車して宍道湖が終わり、荘原、直江を通過して一畑電車が合流、終点出雲市に到着する。JRで来ると出雲大社の玄関口、
駅前から出雲大社方面へバスも出ているが、一畑電車で途中川跡(かわと)乗換で出雲大社前まで行くこともできる(列車により出雲大社前直通もあり)。ローカルな雰囲気とレトロな車両が目玉、最近はすっかり映画『RAILWAYS』で全国的にも知られるようになった路線である。せっかく来たのなら後者をぜひとも味わっておきたい。

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