小田急60000形MSE「メトロホームウェイ」乗車記

東京メトロ千代田線と小田急線でロマンスカーの乗り入れが始まってから3年になる。今更では有るがようやく機会を得たので「体験乗車」してみることにした。
表参道19時2分発のメトロホームウェイ71号に乗車することにする。千代田線内で特急が停車するのは北千住、大手町、霞ヶ関、表参道のみ。これらの駅には特急券の販売機や専用の乗車口が設けられている。特急券は当日分はきっぷ売り場かホーム上の券売機で購入、ホーム上の券売機は満席になるか列車の接近を知らせる放送が入ると販売終了となる。表参道ではホームの3号車付近に特急券の券売機があるので、そこで購入する。タッチパネル式で気軽にすんなり購入出来ていい。
6号車の乗車口はなく、5号車の乗車口に並ぶ。列車到着が徐々に迫ってくると駅員さんがしきりに特急列車についての案内放送をする。なかなか新鮮であるが、一方で駅ホームはというとごく普通の地下鉄の駅の光景なので、これから特急に乗るのだという実感はなかなか湧いてこない。しかしこうしているうちにも特急を待つ乗客の列が伸び始める。特急と普通の列車とで乗車口は分かれているが、特急の方は発車10分前で自分も含めて4人程しか待っていなかったのが、発車数分前に迫って振り返ってみるといつの間にか10人くらいにまで増えていた。特急需要、意外と高いぞ。それにこれから乗る71号は唐木田行き。多摩センター方面であり新宿から30キロほどしか離れていないのでそもそも急行レベルで間に合うくらいの距離なはずだが。特急料金は500円、高いと見るか安いと見るか、確かに確実に座席が保証されそれもちょっといいのに座れるのは事実だ。千代田線からの着席ニーズはそれほど高いということか。
18時58分発の代々木上原行きを見送ると次はいよいよ我が(?)特急列車だ。さっきからこれのために、何本もの千代田線を見送っている。普段ならこんなことあり得ないが。接近放送が入るとともに、青い車体の特急列車が入ってきた。小田急60000形MSEである。ドアが開いていよいよ乗車、5号車からの乗車なので6号車の座席に移動する。しかしさすがは天下の小田急ロマンスカー、どこから乗ろうがその貫禄は変わらないし、むしろ普段なら混雑でゴミゴミした地下鉄から乗車する分か、まだ座席に着いていないのに早くも特等席気分で、心が高揚する。
座席に着く。車内は50000形に準じた設計、木目調のデザインで落ち着いた印象である。天井もドーム型で高く、圧迫感を感じさせない。建築限界の小さいはずの地下鉄に乗り入れる割には、かなり空間に余裕を持たせたデザインである。座席はフットレストはないがリクライニング付き、肘掛けにテーブルを備える。
もっとも、特急の中ではずば抜けていいという程でもなくわりかし並な設備である。しかしまあ今回は初だったこともあるし、なんといっても「地下鉄千代田線でリクライニングシートに座れる!」ということだけでもかなり贅沢だと思うし、感動モノである。それにMSE自体も新しいとあって設備が奇麗で、落ち着いていてそれだけでも気分がまるで違う。やっぱり特急料金を払ってでも、時々乗りたくなってしまうかもしれない。特急の魔力、恐るべし。実際、車内に入った直後は席はそんなに埋まっていなかったが、表参道ではホームに結構な列が出来ていた通りで6号車の席はこれでかなり埋まった。乗車率は結構良いようである。
だいぶ長くなってしまったがいよいよ発車だ。乗車にかかる時間と、千代田線内で次の列車を追い越せない(追い越し設備がない)こともあってか各駅の停車時間は2分程と長めに取られている。そのためかラッシュで本数が多めでありながら、実際走り出すとそんなにのろくはなかった。明治神宮前、代々木公園と通過するが、ロマンスカーから見る千代田線はなんか違和感たんまり。千代田線に乗っている気がなんだかしない。ただの映像でも見ているようなといえば大げさだが、どうにも現実離れしている。
代々木公園を出ると早々地上に出る。代々木上原で小田急線と合流、ドアは開かず乗り降りは出来ないがここからは小田急の乗務員に代わるため停車する。ホームには帰宅列車を待つ長蛇の列が断続的に今日も続く。自分もいつもはその中にいる訳だが、今回は見物である。まあこんなことするのは今回くらいですから、いいでしょう?(笑)

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各停本厚木行きが入ってくるが、先行してこちらが発車する。東北沢を通過、ラッシュの小田急線はやっぱり過密ダイヤか。思うように走れず徐行したり加速したりする。複々線に入って少し走って元気を取り戻した。下北沢あたりがまだ複線なので、そこが出来ないとやはり厳しいか。
このあとの都合で、次の停車駅である成城学園前で下車する。デッキに出る。貫通路はスカイブルー。車体と同じ色だ。19時18分到着、今じゃ成城学園前にも特急が止まるようになったのか。しかし停車する特急は下りで平日2本、土休日3本のみ。ホームには特急券販売機があるがこの列車が出ると平日はもう停車しないので、係員がシャッターを閉めていた。発車を見届ける。こうなるとは知らなかったが、反対側にも60000形MSEが回送で止まっていた。この後の時間も下りで千代田線直通のロマンスカーがあるので、その送り込みだろうか。思いがけず並びを撮ることが出来た。
わずか16分だったが満足な「体験乗車」だった。

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小田急MSE5周年記念ツアー

小田急電鉄、小田急トラベルでは東京メトロ千代田線に乗り入れるロマンスカー「MSE」(60000形)が2008年の運行開始から登場5周年になるのを記念して『MSE5周年記念ツアー』を開催する。
通常千代田線でロマンスカーが運行されるのは北千住までだが、今回は同線始発駅の綾瀬から運行される。代々木上原で小田急線に入り、新松田ではJR御殿場線に入って御殿場まで走行、その後唐木田、片瀬江ノ島を経由して新宿へ向かう。小田急線のほぼ全線と千代田線(本線)の全線を走破、御殿場線についても現在MSEで運行されている『あさぎり』のルートを走破することになる。
記念イベントとのことで記念弁当、関連のお土産品があるほか抽選会も行われる。
開催日は5月18日、19日、25日、26日の4日間(いずれも土・日曜日)、参加にあたっては小田急トラベルでの申し込みが必要とのこと。