E231系

2000年に登場、従来は通勤形と近郊形とで車両の種類(形式)が異なり仕様も違っていたが、初めて両者を統合した車種として登場した。機構的には1993年に登場した通勤形電車209系をベースにしたコスト低減を図った設計とされている。
国鉄時代より通勤形は4ドア、近郊形は3ドアというのが標準であったが、1994年に登場した近郊形電車E217系で初めて4ドアが採用され、このE231系も通勤タイプ、近郊タイプと2種用意されながらもどちらも4ドアとなり、同一形式として扱われることになった。また、通勤形は従来2800mmの垂直車体、近郊形は2950mmで裾を絞った広幅車体と区別されてきたが、本形式以降、通勤タイプについても地下鉄乗り入れ用を除き2950mmの車体を採用している。通勤・近郊の両者とも設計的にはほぼ似ているが、近郊形は一部車両がボックス式のセミクロスシート、トイレ、グリーン車付きとされている点が異なり、これはE217系の仕様とほぼ共通している。また通勤タイプ・近郊タイプ各々の中でも路線毎に合わせたカスタマイズがされている。
量産車は2000年の登場だが、それ以前に1998年に試作車が登場している。ただしこの時点では試験段階であり本形式についてあまり固まっていなかったのか、とりあえず当時製造中だった209系の一員とされ、209系950番台を名乗った。量産車が登場してから正式に本形式に編入され、E231系900番台に改番されている。
通勤形は103系、近郊形は113系・115系と首都圏にまだ数多く残存した国鉄形通勤車両の置き換え用として大量に製造された。2000年より通勤タイプが中央・総武線各駅停車用に、近郊タイプが東北本線(宇都宮線)用に投入開始された。その後通勤タイプが常磐線快速・成田線、山手線、中央・総武線の地下鉄東西線乗り入れ用に、近郊タイプが高崎線・東海道本線に投入され、近郊タイプは湘南新宿ラインにも使用されている。次の世代として登場したE233系と共に、首都圏の通勤電車の顔として幅広く活躍している。なお、209系950番台だった時代にローレル賞を受賞している。

 

通勤タイプ

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E231系最初のグループとして2000年から投入された中央・総武線各駅停車用の0番台。103系の置き換え用として大量に増備され、同線の主力となっている。5号車には混雑緩和のため、同線で初めてとなる6扉車が連結され、前面の帯の部分に「6DOORS」のステッカーが貼られている。1998年に登場した900番台もほぼ同一外観、同一仕様である。
(中野にて)

 

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2002年から投入された常磐線快速・成田線用の0番台。中央・総武線に投入された0番台とは少々異なり、最大15両編成を組成することから10両、5両の2タイプの編成があり連結や切り離しにも対応している。同線の特徴からか、どちらかというと同じ15両編成対応の近郊タイプに近い。しかしあくまで通勤形で、103系と同じくトイレやグリーン車は付いておらず座席も全てロングシートである。帯色は103系と同じエメラルドグリーンで当初はこれ一色だったが、営業開始に当たって同じ色である各駅停車との誤乗を防ぐため一番下に細いウグイス色の帯が追加された。前面が白色に塗装されているのも特徴。
(松戸にて)

 

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2002年から山手線に投入された500番台。0番台をベースにしているが、車内の案内表示器がLEDからLCD(液晶画面)に変更されている。これについては後のE233系にも引き継がれている。前面など車体面でも少し変化している。当初は6扉車が2両(7号車と10号車)連結されていたが、ホームドア設置のために廃止されることになり、2010年から11年にかけて新造された4扉車に置き換えられ廃車となっている。6扉車置き換え用に製造された4扉車は、後継車のE233系が既に投入されている中での製造だったため、仕様面で同形式と共通する部分が見られる。
(神田にて)

 

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山手線が今の緑色(ウグイス色)のラインカラーになったのは1963年の103系登場からで、2013年で50周年を迎えた。それを記念し車体全面を緑色にラッピングした「みどりの山手線」。写真中で上の鉄橋を走っているのは当時地上だった東急東横線の5050系で、同車はじめ、その後の私鉄車両ではE231系をベースとした車両が増えていった。現在の鉄道車両に大きく影響を与えた車両といえる。
(恵比寿〜渋谷間にて)

 

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2003年、中央・総武線各駅停車の地下鉄東西線直通用として投入された800番台。同じ乗り入れ用途で使われてきた103系1200番台、301系の置き換え用として投入されている。地下鉄の規格に合わせるため車体幅2800mmとされ、裾が絞られておらず垂直な車体をしている。機構的にはE231系ではあるものの、前面形状など一足先に登場した常磐線各駅停車(地下鉄千代田線直通)の209系1000番台に準じている。帯色は301系などと同様、乗り入れない電車との誤乗防止のために東西線に合わせたブルー系の帯となっている。
(中野にて)

 

近郊タイプ

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2000年に東北本線(宇都宮線)でデビュー、2001年には高崎線(乗り入れで上越線・両毛線前橋まで)と湘南新宿ライン、2004年に東海道本線(乗り入れで伊東線とJR東海御殿場線山北まで。なお御殿場線乗り入れは2012年に廃止)にも投入されている。10両編成と5両編成があり、最大15両編成での運転に対応している。中距離電車に使用される近郊形の一員であるため、従来の113系・115系・211系に準じ一部車両クロスシート、トイレ付きとなっている。当初、東北本線・高崎線にはグリーン車がなかったため本形式もグリーン車なしで製造されていたが、2004年から東海道本線への投入にあたって同線がグリーン車導入路線であり、また東北本線・高崎線・湘南新宿ラインでも新たにグリーン車のサービスを開始することになったためグリーン車が投入開始され、既存の編成では組み替えが行われている。グリーン車は1994年に登場したE217系と同様の2階建てとされ、10両編成中の2両(4・5号車)に組み込まれている。
配色は以前から上記三路線の車両の色であるオレンジと緑の2色(湘南色)で、投入から今に至るまで他の色は登場していない。車両番号は1000番台より上の番号とされているが、同じ編成内でも座席のタイプの違い(ロングシート、セミクロスシート)、トイレの有無、先頭車とそれ以外の車両などで細かく区分されている。

 

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2005年始めに撮影した、湘南新宿ラインで使用されるE231系近郊タイプ。写真左、E231系500番台の投入が終盤を迎えて撤退秒読みに入った山手線205系と共演になった。205系は国鉄末期の1985年に当時の新型として山手線に初投入された。東京の顔である山手線、E231系もそうだが時代を反映した最新の車両が走る路線である。205系は当時投入から20年程、まだ寿命ではなかったものの、やはり東京の顔ということで新型E231系の投入が早めに行われ、南武線・武蔵野線など他の路線に転属して第二の人生を歩むことになった(山手線E231系が登場した2002年は日韓ワールドカップに湧いた年でもあり、そこも意識されていたんだろうか)。当時はそんな205系を狙って、何度となくここに足を運んだものだ。時は2014年、あれからもう9年が経とうとしている。
(山手線駒込〜田端間にて)