松江イングリッシュガーデン前をでていよいよラストスパートとなる。一畑で最も長いだけあってそれなりにスピードを出す。3000系、結構な走りっぷり!
温泉地らしく沿線に旅館やホテルが目立ちはじめ、減速すると終点の松江しんじ湖温泉に滑り込む。一畑の松江側ターミナルで、かつては北松江駅と称していた(その関係で路線名は今も北松江線となっている)。
名前の通り宍道湖畔の温泉地に立地している。松江市役所がすぐ近くにあり、市中心部への利便性は良いが、湖から離れた東寄りにあるJRの松江駅と2km近く離れている。両駅の間はバス連絡となっており鉄道網としては孤立している。
さあ、ついたぞ。
ここもRailways関連の広告が並ぶ。
駅前、リニューアルされていて綺麗な駅舎。一方で少々味気ない感も。
温泉地らしく足湯がある。
到着後、せっかくなので誰もいない車内の写真を少しだけ。引退間近の3000系。南海21000系時代からしてももう50年以上になる。
かつて南海高野線で山登りをしていたこの車両。山岳地帯の急カーブを行くために車体長は17m級と小ぶり、ドアも2ドアとされている。その分ドア間にはロングシートがずらーっと伸びており年代を感じさせる車内の雰囲気と相まって貫禄を感じさせる。
大阪はなんばを起点に、河内長野まで平野部を走り、橋本あたりからは一転して登山電車になる南海高野線。平野部では急行として高速運転し、山岳部では急勾配を低速で力強く登るという両方の性能を併せ持ち『ズームカー』と称された。平野部では大都市大阪の通勤・通学路線であり、混雑対応のため大型の20m4扉車が投入されているが、山岳部では大型車の運転が出来ず今に至るまで専用の車両が投入されている。が、スペースを取らず収容力を増やせるロングシートを主体としている所、やはり通勤路線であることを想起させる。
ドア。いかにも「年代物」といった感じで、モノによっては少々痛々しい所もある。まあ50年以上の運用とあってさすがに途中で更新工事はされているだろうが。でもまあ長年働いてきたことを身をもってあらわしているような気がする。昔の車両と言わんばかりの片開き。定員が決まっており乗降りもそれほど激しくない特急車両はさておき、短い停車時間で大量の乗客を捌かねばならない通勤用車両にとっては、開口幅があまり広く取れずドアの開閉速度に少々時間がかかる片開きドアはどうにも不向きと判断されたようだ。昭和30年代頃から国鉄の101系などを代表に、以降登場する通勤車両はほとんどが両開きドアとなった。片開き扉の車両は昭和の末期から平成の頭にかけて、両開きの新型車両に置き換えられて急速に数を減らしていった。
別にドアの構造の違いだけという話ではあるが、片開き→両開きへの過渡期の時代に子供時代を過ごした筆者にとってはどうにも時代遅れに映った所はあり、今見ればノスタルジックとでも言えるんだろうから妙なもんだ…。まあ子供は新しいものが好きですからネ…。
乗務員室の後部。運賃箱などワンマン運転の設備が搭載され南海時代とは少し変わっているだろうが、シートは健在で座りながら展望を楽しめる。昔の車両はこれがあったから楽しめたものの最近の車両にはなかなかない。
のんのんばあ電車のラッピングがされていた。そういえばこのあたりは水木しげるさんにゆかりのある所ですしね。お隣鳥取県の境線にも鬼太郎列車が走っています。(後々取り上げる予定)
ばたでん乗車記(完)