東京都は八王子市内。多摩ニュータウンと、昔からの八王子市街の間にそびえる野猿峠。「野猿」という名前は色々なところで見られそこそこに知られてはいるが(もっともその多くはこの近隣にあるラブホテルによるのでしょうけどねw)改めてみると都内にも峠があるのかと思ってしまうもので、ちょっとした冒険好きには好奇心をそそられるところだろうか。
峠は多摩丘陵の北側に当たるところ、電車でいうと京王線と相模原線の間に挟まれるように位置している。京王線からは北野駅か一つ手前の長沼駅、相模原線からは京王堀之内から行くのが近い。今回は南側、京王堀之内の一つ手前の多摩センターから、多摩ニュータウンも歩きながら峠を越え、京王線の北野駅まで向かってみることにした。そしてせっかく行くならということで(!)京王相模原線ではなく敢えて小田急多摩線、多摩急行で向かった。
小田急多摩センターに発着する東京メトロ千代田線の6000系と16000系の多摩急行。多摩センター、確かに小田急もきているのだが昔からの経緯で京王の方がなんか勢力が強いし、多摩急行ができたのも割と最近のこと。多摩センターでみる千代田線の電車は、今になってもなんだか見慣れない気がする。
というわけで多摩センターで下車、まずはひたすらニュータウンを歩いていく。自然は多いがあくまでニュータウンだ。マンションなど人工物が多いし自然にしてもどこか手が入っている。
一つ丘を越えて八王子市へ。京王相模原線が走っており、このあたりは京王堀之内駅のエリアになる。
ここで野猿峠を越える野猿街道に入る。峠を越えるまではニュータウンらしくマ ンションも目立つ。黄色い看板好きも集まるのかな。沿道にはラーメン二郎八王子野猿街道店があるぞ!
京王堀之内をすぎて少し行ったところ、下柚木で二手に分かれ、野猿街道はここで右折する。
ここから野猿峠越えに入っていく。なだらかだが長い登り坂が続く。峠越えとはいえ、住宅やコンビニがあるところが都内といった感じか。梅雨明けの休日、あぢー!
しかし片側二車線のありふれた道路…。
こんな看板が見られるのは峠という感じがしていいですな。もっと言えば昔からの景観を守って来られたら良かったんでしょうが。
いよいよ野猿峠。特に標高を示すものはないが、調べによると160mとか。まあ峠にしては低い方ではあるが。うっそうとした周囲の感じは峠らしいのだが、普通に片側二車線道路がぶった切ってしまっているし、峠を示すものが少ないのが寂しい。昔はもっと道も細く険しかったことだろうが。
峠のてっぺんにはかつての水飲み場の跡がある。苦しいながらも今も峠らしさを感じさせるもの。
しかし「峠」には普通に屋根付きのバス停に電話ボックス。この写真だけみるとありふれた町の一コマにしか見えない…。
頂上を過ぎると一気に下りになり八王子の市街地に向かう。多摩ニュータウン側、ここまで登ってくるところは割と緑が多かったが、この先八王子市街地に向かう沿道は頂上付近まで宅地化されてしまったようで、緑も少なくなってしまっている。仕方のない所ではあろうが。しかし写真の道路標識の通り、下り勾配6%と書いてある所はやはり峠らしい。きついな。
長く急な下りが続く。登るのは多摩ニュータウン側以上にきつそうだ。眼下には八王子の市街地を見下ろすことができ、見晴らしが良い。
だいぶ降りてきた。まっすぐ進むと国道16号の八王子バイパスと交差、その近くには京王線の北野駅があり、鉄道、道路ともに交通の便は良い。確かにこんな場所なら、山の上だろうが御構い無しに普通に開発されてしまうだろう。そういえばこのあたりの京王線に乗っていると車窓の上の方まで住宅で埋め尽くされている。逆に今回登ってきた多摩ニュータウン側の方は、京王堀之内駅から行けるものの駅からはそれなりに離れた場所にはなる。バスが通っているので交通自体にさほどの不便さはないと思われるが、景観の違いはこのあたりも遠因なのだろうか。
後ろを振り返ったところ。何の変哲もない片側二車線の道路だが、きつい登りが頂上まで続く…。
ほとんど下りきったところ、ここから東へと北野街道が始まる。北野駅も近く、高架を走る京王線の電車がわずかに写っている(というか無理矢理撮ったw)。
下りきって目の前に八王子バイパスが見える。勾配としてはやはり多摩ニュータウン側の登りよりも北野側の下りの方がきつい感じだった。
というわけで京王線、北野駅にゴール!北野にきたの(寒)
都内で街の中のような峠とはいえやはり峠、あなどるなかれ。軽くハイキングだったな…。いい運動にはなった!