立山黒部アルペンルートの旅(3)
2022/6/11 旅行記
※2022年5月訪問
2日目を迎えたアルペンルートの旅
天気次第で考えることにしていたが、文句なしの良好な天気!
ということで念願のアルペンルートへ向かうことにした。
とはいえ基本的には山上だから天気が変わりやすい点は否めず、特にアルペンルート最高地点(標高2450m)の室堂あたりはどうかわからないが、あとは行ってみるしかない。まあ、その時はその時だ。
大町駅前のターミナルの傍らにある乗車券売り場で、まずはアルペンルートの長野県側入り口にあたる扇沢ゆきの乗車券を購入する。
ここで買えるのは、扇沢までのバスのみのようだ。
本当はWebで事前にアルペンルート通しの乗車券が購入できるのだが、決行するかどうかを直前まで決めなかったので、当日券にしてその場で購入することにした。
2022年のアルペンルートは4月15日から11月30日まで営業する。
冬に入る直前の11月4日以降だけダイヤが変わるが、それ以外は毎月同じダイヤで、朝の便が多く運行されている。
土日は信濃大町駅5時35分のバスが始発で、1時間に1-2本、8時台は30分間隔になっている。
都会の感覚でいうと30分間隔は少なく感じるだろうが、大糸線もそうだがこの辺りでは日中1時間かそれ以上の間隔で運行されるのが普通なので、十分多い方である。
ちなみにアルペンルートというと富山側、立山駅から入る方がメインだろうが、今回は逆から入る形になる。
もっとも、首都圏、特に中央線沿線などから素直に行くなら、長野県側からの方が行きやすいと思うが。
9時の扇沢行きバスに乗る。
朝は特にアルペンルート通しで行く客を中心に混雑するらしいのと、またホテルの朝食も結構満席近かったので、ある程度混雑するのではと覚悟したのだが、バス停に待っている客はおらず一番乗りで乗車、その後も乗ってくる客は少なかった。
昨日散策した大町市街地を北へ向かって走り抜け、やがて左に曲がって黒部の方向へと進んでいく。
大町市街地は山々に囲まれた盆地だが、曲がると山に向かってひたすら上り坂になる。
道路は整備されているので走りやすい。
雪をいただいたアルプスの山々を見ていると思わず、ハイジの歌でも頭に流れそうだ。(笑)
途中、鹿島川を渡ると川沿いに大町温泉郷がある。
バスも立ち寄り、温泉街からの乗客を拾う。
ここで前泊してアルペンルートへ向かう客は多く、満席まではゆかなかったが一気に車内が賑やかになった。
ここから先は緑の中をゆく。沿道は本当に高原の緑一色という感じだ。
そして沿道にはアルペンルートの混雑状況を示す電光掲示板があったりする。
まあ多少は仕方ないところだが、早速「乗車制限中」の文字が躍っていた。
やがてさらに車窓は険しくなり、スノーシェルターをくぐるようになり、携帯も圏外になる。
駐車場が見え始め、スタート地点である扇沢に到着する。
ここで関西電力の電気バスに乗り換えである。
長らくトロリーバスだったが、2019年に電気バスに転換された。
ロータリーになっていて立派なバスの駅という感じだが、自然の方に目をやるとあたりは本当に山深く、断崖のような山が聳え、初めてきてみると想像以上の迫力だし、立ち入るのが少々憚られるかのような、
ある種の神聖さというか、怖さに近いようなものを感じるかのよう。
よくぞこんなところにバスの駅を造ったと思う。
いや、本当はよくぞダムを造ったというべきところだろうが。
これからその人類の叡智を結集した建造物を、しかとこの目で見る訳だ。
駅には窓口のほか自動券売機もあり、当日券をそこで購入する。
定員の関係もあり電気バスだけ時間指定を聞かれ、10時のバスにする。
ターミナルの建物は3階建てで、2階には改札やトイレと共に土産物やレストハウスがある。
2階に上がると、熊の剥製に驚く。こんな所も、山に来たんだなと実感…。
コンコースにはかつてのトロリーバスの模型も。
今回は行かなかったのだが、扇沢駅近くの扇沢総合案内センターに、実車が1台保存されている。全車が解体予定だったそうだが、クラウドファンディングも行っての働きかけにより、保存が実現したという。
改札口、時間にならないと開かないが、混雑も想定して早めに並んでおく。
前から二番目に陣取れたが、やはりここまでくると観光客が集中して、発車10分前になると後ろには長い列ができていた。
改札の時間になり、電気バスに乗り込む。
乗り場には数台のバスが停まっていて一番前のバスに乗る。
電気バスだが、充電はパンタグラフにより車載のバッテリーに行われており、停車している様子はかつてのトロリーバスを彷彿とさせるかのようだ。
関西電力の敷地、所有ということで関電の社員が乗務しており、またバスにナンバーもついていないのも特徴的。
定刻になり発車。
さあ、いよいよここから本当の旅の始まりだ。
※立山黒部アルペンルートの旅(4)に続きます。
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